実は高度な遊びだった!「ごっこ遊び」が脳を鍛える

「ごっこ遊び」、実は高度な遊び!

小さいころの遊びといえば、「闘いごっこ」や「お店屋さんごっこ」といった「ごっこ遊び」が定番ですね。

子どもというのは、身近なものを上手に見立てて様々な遊びをしますが、このごっこ遊びが、子どもの成長や脳の発達に大きな影響を与えていることをご存じでしょうか?

今回は、ごっこ遊びが子どもに成長にどう関係し、より発達を促すためにはどうすればいいのか、年齢別の遊び方の例を提案します。

ごっこ遊びといえば、お父さん、お母さんといった家族の真似をしたり、ケーキ屋さん、バスの運転手など町で見かける働く大人を真似して遊ぶことをイメージするかと思いますが、積み木やぬいぐるみを車や赤ちゃんに見立てたりして遊ぶ「見立てる遊び」もごっこ遊びのひとつです。

1歳頃から、この「見立て遊び」ができるようになり、2~3歳頃になると大人の真似をする「ごっこ遊び」へと移行するようになります。

見立て遊びやごっこ遊びは、子どもの脳を鍛えるのにとても効果的なんです。
積み木を車が走っているかのように扱うためには、想像力が必要です。
ぬいぐるみを赤ちゃんに見立てて遊ぶ子は、どこかでお母さんが赤ちゃんのお世話をする場面を見た記憶を再現しているのかも知れません。

こうした想像力記憶力、それを再現する表現力をフル活用しているのが「見立て遊び」や「ごっこ遊び」というわけです。

ごっこ遊びで、より高まる「考える力」

「見立て遊び」ができるようになるということは、子どもたちに想像力、記憶力、表現力がついてきた証拠です。

「ごっこ遊び」へと移行すると、さらにより多くのステップを踏みます。
まず、「私はお母さん役ね」「あなたは一緒に買い物に行く子どもの役」、「あなたはお店の人をやってちょうだい」というように配役を決めることからはじめます。

配役が決まると、お芝居が始まります。
この芝居が、いわゆる「ごっこ遊び」なわけですが、配役決めから芝居に入るという段取りをはじめ、楽しく「ごっこ遊び(芝居)」をするなかでも、子どもたちの脳というのは発達しています。

お母さん役の子どもは、役作りの上で、日ごろのお母さんを観察したり、自分が言われたことのあるセリフを思い出したりします。

そのセリフに対して、子ども役の子やお店の人も切り返さなければいけません。役に合わないセリフを言ったり、ルールから脱線しようとする子どもがいたら、他の子どもがダメ出しをします。

こうしたやりとりが、言葉で伝え合うことの楽しみや喜びにつながり、コミュニケーション能力考える力を高め、子どもの「目標計画(配役)を立てて、実行(芝居)し、役に集中してやり遂げる」といった脳の実行機能の発達を促します。

また、いろいろな役になりきって、「他の人のふり」をして遊ぶことは、いつもの自分とは異なる感情を疑似体験することにもなり、他人に対する思いやりも育まれるでしょう。

脳科学や心理学の研究でも、「ごっこ遊び」が子ども心身の成長に良いされていて、「ごっこ遊び」の経験が多い子どもは、経験が少ない子どもに比べて、実行機能テストで30~100%近くスコアが高いという結果がでています。

また、この研究結果から「ごっこ遊び」には、以下のような効果もあることが実証されました!

「ごっこ遊び」の効果

●創造力、アイディアが豊富になる 

●語彙が豊富で、言葉が流暢に話せるようになる
●問題解決能力が高い子になる
●ストレス耐性が高くなる
●社交的になる

「学ぶ」という語源が「真似ぶ」から来ているとおり、まさに「ごっこ遊び」を通して、いろんなことを真似することで子どもたちは様々なことを学び、社会性を身につけていることがわかります。

発達を促すための年齢別の遊び

1歳頃、2〜3歳頃、3〜5歳頃、5歳以上と発達段階や経験などの違いにより、ごっこ遊びの内容が変わってきます。

それでは、より発達を促すためには、どのようなごっこ遊びがよいのか、年齢別に例をあげてみていきましょう。

1歳頃は「ごっこ遊び」を覚えさせよう

1歳頃の赤ちゃんは、まだ1人では遊べません。主にお父さん、お母さんが行っていることを真似しはじめますので、まずは子どもに「見立て遊び」のやり方を教えましょう。

遊びのヒント!
  • 大人が、積み木を電車に見立てて「電車が発車しまーす」と声をかけ、「ガタゴト、ガタゴト」と走る音を表現してみせてから、「今度は〇〇ちゃんがやってみて」と同じことをさせてみましょう。
  • 身近な生き物になりきって遊んでもいいでしょう。
    腕を鼻の前でブラブラさせて「ゾウさんだぞ~」と声をかけたり、ハイハイができるお子さんには「お馬さんになってみよう!」と言って一緒にハイハイしてみたり、歩けるようになったお子さんには「トンボに変身しよう!」と声をかけ、両手を広げて歩き回るというように、体全身を使って表現させましょう。
  • 段ボールを車に見立て、子どもを乗せて「ブーン」と言いながら走らせるのも子どもたちは喜びます。
    子どもが自ら段ボールに入っていって「うごかして!」としつこく要求してくることもあるでしょう。体力勝負です(笑)

2~3歳頃は「小道具」を活用しよう

2~3歳頃になると、設定を立てて遊びます。

抱っこができるサイズのお人形やぬいぐるみ、お医者さんセット、キッチンセット、大工道具などの小道具を上手に使うことができます。

おもちゃがなくても、ハンカチやタオルなどの布をマントに見立て、空を飛ぶ真似をしてヒーローになりきってみたり、家のなかにあるものは何でも想像力を使って別のモノに代えることができるのです。

また、お父さん、お母さんといった家族の関わりだけでなく、お友達と一緒になってごっこ遊びをすることができるようになります。子どもと関わる集団の規模を少しずつ大きくしていくことで、社会性も身についてきます。

  • 子どもが自ら、「敵があっちから来るから、一緒に戦おう!」というような設定を立てて来たら、大人はできるだけサポートに回りましょう。
  • 料理を作る真似をして遊んでいたら、味見をするふりをして「おいし~!」「おいしい料理作ってくれてありがとうね」と声をかけましょう。遊びを通して、料理を作ってくれる人への感謝の気持ちを理解することもできます。普段の食卓でも「おいしいね」「ごはん作ってくれてありがとう」という言葉が自然と出てくるようになりますよ。

35歳頃は子ども主導で遊ばせる

3~5歳頃になると、遊びの好みもはっきりしてきます。

子どものなかで「好きな物語」が出来上がっているので、大人が加わる際には、子どものストーリーに沿って脇役を演じましょう。

子どもに進行させたり、演技指導してもらったり、すべて子ども主導で進めます。お医者さんごっこなら、子どもが「医者役」、大人は「患者役」などの脇役に徹してください。

  • 話を膨らませたり、ストーリーに新たな展開を持たせる手助けをしましょう。お医者さんごっこなら、病院からはじめるだけでなく、「救急車を呼ぶところからはじめてみよう」とか、注射や手当てで治るだけでなく、「手術が必要ってことにしよう」など同じ役でも場面を変えて演じられると思考力も高まります。
  • 時間があれば「小道具」を一緒に作ってみて下さい。おもちゃや衣装をわざわざ購入する必要はなく、大人の白いシャツを白衣に見立てたり、トイレットペーパーの芯で注射器、荷造り紐で聴診器のように小道具を手作りすることで、発想力が鍛えられます。

5以上は子どもだけで遊ばせる

5歳児以上になると、段ボールを使って小道具も自分たちで作れるようになります。

幼稚園の年長組の男の子が作った剣と盾があまりに見事で、子どもたちが本物の勇者になったように見えて驚いたことがあります。

この時期には、子どもだけで細かなシーンを設定し、小道具も創意工夫して遊べるようになります。大人は、段ボールや紙、のり、はさみといった小道具作りの材料を用意して、場所を確保するなど環境を整えるだけの役回りで充分なのかもしれません(笑)

きょうだいがいるご家庭なら、上の子が下の子にやり方やストーリーを教えて遊ぶようにうながしてあげましょう♪

参考文献:トレーシー・カチロー(著),鹿田昌美(訳),「いまの科学で『絶対にいい!』断言できる最高の子育て」,ダイヤモンド社,2016

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