「考える力」というと、
論理的な思考力や理解力が必要です。
頭の中で整理したものを表現する際には、
豊富な語彙力も必要となってきますよね。
そうなると、中学生、高校生くらいに
ならないと教えられないのでは?
と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、「考える力」は、
むしろ、小さいうちから培ってこないと、
大きくなってから急に身につくといったものではない、と思ったほうがいいかもしれません。
思考が止まった子どもたち
大学受験では、学力テストだけでなく、
小論文やプレゼンテーションが課題となる場合があります。
私は、予備校勤務時代、そうした小論文やプレゼンテーション、
志望理由書などの添削を行ってきました。
小中高と、「作文」しか書いてこなかった子どもたちに、
いきなり「小論文」を書きなさいと課す大学入試もどうかと思うのですが、
案の定、ほとんどの生徒が書けません。
考えが浅かったり、表現力や語彙力が欠しかったり…。
「小論文」では、このテーマのどこが問題なのか、
また、それに対して自分の意見はどう思うのか、
ということを論じなければならないのですが、
ボー――と生きてると、問題にも気づかず、
自分の意見も出ず・・・
結果、先生に起こられる生徒の続出です。
もし、お子さんが中学受験、高校受験、大学受験を
控えているのであれば、ぜひ家庭でも
「考える力」を意識して欲しいと思います。
子どもは考える天才!
幼児期からはじめる「考える力」の育て方
子どもが幼児であっても、
日ごろからご家庭で
身近なニュースを話題にしたり、
絵本を読み終わったあとに
感想を聞くことは効果的ですよ。
運動会などのイベントが終わったあとに、
「どう思った?」、「どんな場面が良かった?」という
その声かけひとつだけで、
子どもたちの頭はフル回転するんです!!
◆感想を聞いてみる
たとえば、絵本の読み聞かせのあとに、
「どこがおもしろかった?」と聞いてみると、
子どもって、意外なところに目を向けてて面白いです。
独特の感性を持っている我が家の長男・兄らぼは…
どこが面白いと思ったの?
そこが、いちばん面白い!
いじわるなサルに、仕返しをするカニの仲間として登場する栗と臼と蜂と牛の糞。
その「牛の糞」を、サルが踏む、というシーンがいちばん好きらしいです。
小さいころから、早口言葉とかラップみたいな言葉遊びが好きだった彼。
「糞を踏む」って、リズムも韻を踏んでて好きなのかも(笑)
大人が「そんな場面あったっけ?」と思うような細かいシーンを覚えていたり、
子どもの発想は、いつもユニークです(笑)
新聞を活用しよう!
「考える力」、「表現力」、「語彙力」を高めるために、
優れた教材となるのが、新聞です。
(ペーパーレス化が進んでますが、みなさんのご家庭では新聞、とっていますか~?)
大学入試では、学科に関係する話題に限らず、時事問題について、
小論文や面接で問われることも多いので、世の中のことを知って、
それをいかに自分の身近な問題として考えているかということが大事になってきます。
◆中高生は、新聞の「社説」を読む
「小論文」対策をする際、学校や塾では、
「普段から新聞の社説を読んでおくように」とアドバイスします。
小論文は、作文と違い自分の意見(賛成か反対か)をしっかり書く必要があります。
新聞社の考え、意見が述べられている社説は、文の構成など「小論文」を書く上でとても参考になります。
中高生のお子さんをお持ちの親御さんは、ぜひ家庭で「社説」を読んで
お子さんと議論し合う機会を作ってみてください。
◆幼児~小学校低学年は、関心事や「実体験」と結び付けて
「社説」を読む習慣をつけさるのは、小学生にとってはその題材(テーマ)や内容が難しいことも。
私の家では、子どもそれぞれの関心事に合わせて新聞をスクラップしています。
長男・兄らぼ(7歳)の好きなものが、「実験、科学、機械、プログラミング、人体」といった分野。
例えば、先日、「U22プログラミング・コンテスト」に沖縄県代表で出場した10歳の男の子が、
最高賞の経済産業大臣賞を受賞したというニュースがありました。
5歳からプログラミングを学んでいる長男・兄らぼにとっても、
ロールモデルとなりそうなので、さっそくスクラップ。
がんばって続けたら5年後には、スゴイ賞が取れるかもよ~
なんていう声掛けをしながら、お互いに感想を述べたりしました。
また、子ども向け新聞の「科学のふしぎ」を取り扱っているコーナーを集めて、
実験や科学、人体に関する記事もスクラップしています。
次男・ちびらぼの好きなものは、「昆虫、恐竜、動物などの生きもの全般」です。
なので、「ウミガメの産卵」、「西表島にしか分布しない蝶が沖縄本島でも確認された」という記事から
「害虫ガの幼虫がみつかった」というものまで(笑)
とにかく、写真入りで載っている生き物の記事は基本なんでも、スクラップ。
また、我が家で取っている新聞には、昆虫や植物の著書も多くもつ大学教授が、
イラスト入りで沖縄の生き物に関するコラムが毎週掲載されているので、
それを楽しみに切り取っています。
ちびらぼが見たことがある虫、捕まえたりしたことのある昆虫が載っているときは、大興奮!
そんなときは、付箋紙に「〇〇公園で捕まえたね」と一言添え、実体験と結び付けて記憶させると、子どもの理解が深まります。
最終的に、このノートが彼らにとってオリジナルの『好きなもの図鑑』みたいになってくれればと思って続けています。
小学校の夏休みの自由研究にも利用することもできますよ!
身近なものから、考える力を育てよう
新聞では、政治、経済、国際、科学、スポーツ、地域の催事、社会情勢など、実にさまざまなジャンルを取り上げられています。
そのなかには、自分の子どもが興味・関心がありそうだな、と思う内容の記事が見つかるはず。
そうした記事を取り上げて、家庭でも意見を交わすことは、子どもの思考力や表現力を高めるのに効果的です。
字が読めない小さいお子さんでも、
親が読んで内容をわかりやすく説明してあげながら、
「おかあさんは、こう思うよ」「お父さんは、こう考えるよ」と
親の本音の意見をぶつけてあげることで、
子どもも「自分にも関係のあることなんだ」と社会を身近に感じることができ、
自分なりの考えを発展させることができます。
◆「わかった」が楽しい!という感覚を身につけよう
小さいうちから「考える力」をつけたいという場合には、
「考えるって、楽しい!」「問題を解くのっておもしろい!」
という感覚を持たせることが一番です。
パズルやゲーム、クイズに取り組んで、
「あ、わかった!」とひらめいたときの快感や
自分の力で解いたという達成感を味わうことで、
思考力が必要な算数などの問題にぶつかったときでも
「解いてみせるぞ!」というやる気の土台にもなるのです。
まずは、小さなお子さんの「わかった!」
というひらめき体験を親御さんは、ぜひ大切にしてあげてください。
まとめ
家庭の習慣として、子どもへ「どう思った?」という問いかけを
心がけるだけでも「考える力」は、高めることができます。
「自分で考えて、判断する力」が養われることは、
子どもの自立にもつながります。
また、子ども達は、遊びのなかから学ぶこともたくさんあります。
遊びがいかに高度な思考力を必要とするかをまとめたこちらの記事も参考に、「遊びながら学ぶ」をご家庭でも実践してみてくださいね。
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