先日、とある市議会議員さんとお会いして
「認可外保育園の必要性」についてお話させてもらいました。
沖縄の待機児童の実情
厚生労働省の発表によると、
昨年4月時点で沖縄県の待機児童数は東京都、兵庫県に続いて全国3番目。
待機児童数を申込者数で割った待機児童率は全国ワーストです。
子だくさんですからね、沖縄県。
認可保育園や認定こども園に入れない県内の待機児童数は、
今年の4月1日時点で、前年同期比168人(9・0%)減の1702人と発表されています。
4年連続の減少なんだとか。
沖縄県の待機児童対策特別事業は、2012年度から開始されました。
17年度までに17市町村69の保育施設が認可へ移行。
特に、15〜17年度は急速に増えて、この3年間で認可化した保育施設は62園に上ります。
市議会議員に相談しよう!
あれから4年・・・
いまもなお無認可保育園の認可化に伴って、強制退園させられる人がいる、
無認可の園長も、運営継続ができないことが、
「保護者に申し訳ない」と泣きながら自分を責める毎日。
何とかしてあげたい!
「無認可の必要性を市議会議員さんたちに伝えたいから、一緒に立ち会って欲しい!」
と、知り合いのHさんからヘルプの声がかかり、
今回わたしは、強制退去させられた側の意見をお伝えしてきました。
・相談に行ったのは、発起人で保育園にも勤めていたHさん。
・現在、お子さんを預けている無認可園が、来年度から認可へ移行する予定で困っているママさん(Rさん)。
・代弁のヘルプとして、頼れる姉御肌のIさんと、元当事者の私。
まず、Hさんから保育園側、利用者側の声や実情を説明。
自営業の人や働いていない専業主婦など、
認可園では点数が取れない方々の拠り所が無認可園だったのに、
その場所が完全になくなってしまったら、
行き場がなくなることを伝えました。
頼れる姉さんIさんからは、するどい質問が2つ。
元保育士で内情に詳しい市議さんもいたので、
保育園や行政の立場からいろいろお答えいただきました。
◆無認可園を強制退園させられた話
ここからは、私の経験談です。
長男が2歳のころに預けていた無認可保育園でのこと。
ある日、登園したら、
「おじいちゃん先生」の愛称で
子どもたちから親しまれている園長から
突然、こう切り出されました。
園長「来年、小規模保育園に変わるので、年内で卒園ということで・・・」
わたし「え、卒園??年長までいるつもりだったんですけど??」
園長「あぁぁ、ですよね。でも、3歳児は進級できないんですよ」
わたし「そんなバカな・・・」
ただ、系列でやっている認可保育園を第一希望として申請すれば
優先的に入れるから、との説明を受けたが、そこの枠はたった3名。
認可なので役所の審査、点数の判断によるし、確実に入れる保証はない!
そんなん受け皿として不十分すぎる!!!
※沖縄県は、本土と保育園・幼稚園事情が異なり、幼稚園は年中・年長クラスしかないのが一般的。私立幼稚園も少ない。
年少(3歳児)だけが、必然的に、あぶれます。。。
でもそれ、この事業が始まる前から指摘されていたことです。
幼稚園を年少から入れるようにする、認定こども園を増やす、無償化などの体制が整う前から
認可化をガンガン推し進めていたら、そりゃこうなりますよね。
いくつもの園を見学するも…
認可園にも申請を出しつつ、並行して無認可保育園も探す日々。
どこの園も在園児が持ち上がるので、
3歳児枠には、ほとんど空きはなく、
「ウチも来年から小規模になるから、来年度の新規は受付てないです~」
「キャンセル待ち58番目ですけど、いいですか?」
といった具合。
定員に若干の空きがある園というのは、
やはりそれなりに理由があって…
・狭くて暗いアパートの1室に子どもたち押し込めたようなとこだったり、
・建物の老朽化が進んでて、室内の床も落ちそうなとこだったり、
・園庭を肌着1枚姿で遊ばせている子どもら全員が、鼻垂らしてたり・・・・
(保育士も誰も鼻をかむことを教えず、
園長は「子どもは風の子だから、こうして丈夫になるの~」とか言ってた)
到底、大事な子どもの命を、
安心して預けられる場所ではありませんでした。
(※あくまで個人の感想です)
送り迎えの際、他の保護者にも話を聞くと、
やはり皆さん、同じように新しい保育園探しに翻弄されていました。
無償化になる前だったので、
そもそも認可だと所得の関係で月謝が高くなるから、あえて認可外に入れていたのに、
認可になられては困るという意見や
受け皿となる系列認可園だと、距離が遠くなり、
通勤や送り迎えに間に合わないからという理由から
認可園への申し込みは、出さないといった感じでした。
また、継続して通えるはずの0~2歳児の保護者でさえも、
兄弟で預けているのに、上の子と下の子で違う保育園になるのは困るとか、
いずれ3歳児になったら、また新たに保育園探しをしなくちゃいけないのは
負担が大きすぎる、小規模になるなら継続しない、
というような声もありました。
つまり、
受け皿の認可園にも、小規模保育にも、どちらにもニーズがない!!
なんなのこの事業?
行政は、ちゃんとマーケティングしたの?
誰トクなの?
利用者のメリットって?
当時は、こんな疑問が毎日リフレインしていました。
結局、翌年度、蓋をあけてみたら、系列認可園を希望したのは、我が家だけ。
継続して小規模保育に残ったのも、兄弟がいなかった子1人だけでした。
38年の歴史のある素晴らしい無認可保育園を潰して、認可化した結果がこれです。
無認可保育園時代は100名以上が通ってたのに・・・
私たち親は、保育園を増やしてほしいと言っているだけで、
すべての保育園を認可にしてくれとはいってない。
もちろん小規模保育の「質の高い保育」を提供する方針、考え方は素晴らしいし、
きちんとした水準を満たした認可園が増えるのもありがたい。
だけど、、、既存の無認可園にあったニーズを無視してませんか?
無認可園の需要を無視してすべて認可園にする意味って…
認可の条件・点数に足りなかった方の受け皿となっていた
無認可園がなくなると、困る人たちはいっぱいいます。
小規模保育もあっていい、認可園も認定こども園もあっていい、
無認可保育園だって残してほしいのです。
いろんな形があるなかで、利用者が入れたいところに入れるシステム作りをしてほしい。
保育園増えたからいいでしょ、
待機児童減ってきてるからいいでしょ、
入れればどこでもいいでしょ、って、
行政は待機児童の数だけしか見ていないのではないでしょうか?
我が家は、結果として無事、認可園に入れてありがたかったし、
系列なだけあって園の方針や環境が似ていたことで、
転園後も子どもが混乱することなく過ごせましたが、
やはり距離が遠くて校区外となるため、
年長になるころに公立の幼稚園へ転園しました。
0~2歳児までの小規模保育園に通う子どもたちも
1~2年ごとに、環境が変わる可能性があります。
仲の良かったお友だちとのお別れや
新しい環境の変化に慣れるまで、時間がかかる子どももいるはず。
もっと利用者のニーズや子ども精神的負担という視点で見てほしいのです。
~◆~◆~◆~◆~◆~◆~
というような話をお伝えしました。
市議には伝えませんでしたが、
別のカトリック系の保育園へ転園した子どもは、
転園先の保育園になじめず、
翌年に幼稚園へ入れるまで
ずっと登園拒否していたそうです。
さいごに
国が推し進めている事業だから、
それを止めたり、変えたりができないことも多いでしょうが、
だからといって、「しょうがないよね」で終わらせるのではなく、
じっくり最後まで話を聞いてくださり、
「市として、独自で柔軟に対応できることがあればいいね」
とおっしゃって下さった市議さんたちには、本当に感謝です。
現に、いま幼稚園の年少児の受け入れなど
独自で早い対応をはじめた隣町へ
引っ越す世帯が増えているとのこと。
そうなると、市だって税金が減って困るでしょう・・・。
この街にどんな人たちが住んでいて、
どんな保育園があったらいいのか、
まずは、みんなで話合う機会とかもあったらいいのにね。
それも同じような立場の人ばかりから意見を聞くのではなく、
できるだけ違う立場の人に聞いて欲しいね。
米軍人も多い地域だし、認可保育園という形より
英語で保育をおこなうプリスクールや
ベビーシッターさんのほうが需要があるかもしれないし。
というようなことで、今回の意見会は締めくくりました。
良い機会を与えて下さったHさん、
お時間を作って頂いた市議会議員の皆さん、
ありがとうございました。
今後の対応、展開にも期待しております✨