新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け、学校に通えなくなってしまった子どもたち。
家にいると、どうしてもテレビやゲーム三昧になってしまっていませんか?
勉強の遅れが気になるという親御さんも多いですよね。
悩み1:自粛生活で学習時間が減った
我が家の悩みは、なんといっても学習時間の減少。
学校から課題は出されているものの、ゲームをやりたいあまりに、その日の分の課題は猛スピードで終わらせてしまうのです。
課題プリント4枚を5~10分程度やるだけ。
通常なら学校で4~5時限目まで勉強して、帰宅後に家庭学習もしていました。
小学生の家庭学習の時間は平均1時間とのこと。
学校のある日であれば、5時限目+家庭学習約1時間、塾へ通っている子はさらにプラス1~2時間やっていたはず。
それを考えると、学校や塾も休みになった今の勉強時間はあまりにも少なすぎます。
課題の分量は本人と相談して決めていました。なので、
と改めて提案しても、
もうやりたくないよ!
「これ以上はやらない」の一点張り。
「早く終わらせたい!」という気持ちで集中するのはいいのですが、早さを重視してしまうと、字が汚くて読めなかったり、計算ミスにもつながります。
しかも、保育園が休園になって下の子も騒いでいる家の中で、小学校の長男だけに学校と同じように1日4~5時間勉強させるのなんてのは到底ムリです。
悩み2:どうする?かけ算九九
ウチの長男は小学2年生。
小2の代表的な単元といえば、なんといっても「かけ算九九」です。
かけ算は、その後に習う割り算や高校レベルの微分積分までつながる、算数の「基盤」です。
学校から出されている課題プリントにも、かけ算の問題が含まれていました。
これは、家で教えろということでしょうか。
がんばって教えてみたところ・・・
概念は、とりあえず理解してくれた様子。
でしたが・・・計算方法を聞いてみると、
累加方式…Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
「答えは合ってるでしょ」と、九九の暗記を面倒くさがる長男。
地道に足し算していく方法だと、数が大きくなった時に限界がくるのではないでしょうか(笑)
そんな調子でしたから、家庭で勉強をみるにも限界を感じていました。
どうにか勉強時間とモチベーションを上げる方法はないものか。
そこで、私がひらめたのは「オンライン勉強会」です!!
オンライン勉強会をさせてみた
私自身が以前から、セミナー受講やママ友との交流会などでオンラインを使用したことがあり、その有効性を実感していました。
そこで、息子にもこれが使えるのではないかと考えたのです。
SkypeやDiscord、Zoom、Slack、connpassなどを使って簡単に会議やセミナーを開くことができます。
通常は、誰かが先生・講師となって、画面越しに遠隔で生徒に技術や知識を教えるというもの。
ただ、今回は、先生の授業を受けるというスタイルではありません。
一緒に課題プリントを進めるだけでも「集団の効果」が得られるのではないかと考えたのです。
また、知っている同級生と久しぶりに顔を合わせることで、長い自粛生活の緊張をほぐすことができるかなという思いもありました。
集団の効果とは・・・
一定の集団状況におかれることによって,個人の心理や行動様式に変化がみらる現象のこと。
アメリカの社会心理学者 F.H.オルポートは、集団効果の主なものに、社会的促進や対抗の現象があるとしている。
社会的促進とは,判断や作業が一人のときより、集団のときのほうがスムーズになる傾向のこと。
対抗は,集団では競争意識が生まれるということを意味する。
出典:ブリタニカ国際大百科事典
普段家ではやらないようなことを、保育園や学校では進んでやっていると先生から聞いて驚いたことはありませんか?
「みんながやってるから」「みんなと一緒なら」「みんなが見ている前だからできる!」これが、「集団の心理」です。
その効果が、もしオンラインでも得られるなら・・・
1人だとなかなか捗らない大量の課題をオンラインで友達と一緒にさせたらどうなるだろう?
オンライン勉強会で用意するもの
まずはPCかスマホを用意。
LINEのビデオ通話でも可能でしたが、今回は「画面共有」の機能がついているzoomをメインに使用することに。
ママ友に声掛けをして、事前にzoomをダウンロードしてもらい、実際に開いて通話をしながら使い方の説明などを行いました。
そして後日、子ども同士を繋げる段取りを立てました。
オンライン勉強会の実践
1回目は、大学の同級生で、同じ悩みを抱えるママさんと繋げました。
子ども同士もたびたび一緒に遊ぶ仲なので、画面に顔が映るやいなや大興奮!!
こちらもあちらも、下の子同士もしゃべりだし、一瞬カオスな状態でした(笑)
が、勉強モードに切り替えるため、はじめにYouTubeで「かけ算九九のうた」を視聴させました。
その時間がクールダウンになり、落ち着いて課題プリントへと移行することができました。
大学時代の友人のお子さんA君と。
(子ども同士が同学年)
【スケジュール内容】
・YouTubeでかけ算のうたを一緒に視聴。
・学校から出されている課題プリントを20分程度。
・どの単元を何枚やったか成果発表したり、問題を出し合ったり。
・なぞなぞクイズ
時間を図って問題を解かせたのですが、タイマーが鳴ってもお友達のA君がまだ目標の枚数を終わり切れていませんでした。
自分が決めた枚数は終わった~と自慢げな長男。
すると、ここでA君のママが、「兄らぼ君も、もう少し付き合ってくれない?」と優しく声をかけてくれました。
親の私から言われたら「やらない」と言いそうな場面です。
どうするかな?と見ていたら、
おぉぉ!!
なんということでしょう✨
いつもより多めに課題プリントをやってくれました!!
1回目から「集団の効果」を実感できるとは!
学校で仲の良いお友だちB君と。
【スケジュール内容】
・オンラインの学習ソフトを使って勉強。
・NHK forスクールから「whyプログラミング」の動画視聴
・スクラッチJr.で実際にプログラミングでゲームを作ってみる
この日は、学校からの課題でもあるオンライン学習ソフトをやりました。
問題を解くのにかかった時間や連続難問解けたかなど、自動で記録されていくところが便利でした。
また、プログラミングの動画視聴から、実際に自分たちも何か作ってみたいという流れになりました。
プログラミング教室に通っている長男が、お友達のB君にキャラクターを動かすための設定方法などを教えていました。
長男に「伝え方」を訓練させたら、長男主催で「オンラインプログラミング勉強会」が開けるようになるかも、と思えるような場面でした。
この日はA君と、勉強は各自で行って、勉強が終わったらオンラインで遊ぼうということに。
【スケジュール内容】
・お互いがハマっているポケモンガオーレのディスクを見せ合い
・なぞなぞ
・絵しりとり
2回目までは、親のほうで勉強以外のコンテンツを用意していました。
しかし、3回目あたりからは、「次はあれやろう、これをやりたい」と提案も出してくれるようになりました。
zoomの機能や操作に慣れ出し、共有画面も子どもが開けるようになるほどでした。
子ども同士も「またオンラインで会いたいな~」と言ってくれたり、「次は〇〇くんにコレ見せたいな」と楽しみにしてくれるようになりました。
オンライン勉強会の効果
4回目以降は、勉強を習慣化させようと思い、A君と平日の毎朝10時にオンラインを繋げました。
朝10時~ 各自学校の課題プリント(20~60分間)
10:20~ あそびコンテンツ
・絵しりとり
・YouTube
とりあえず1週間続けてみたところ、多くの効果を実感できたのでまとめてみます。
効果1.モチベーションがあがる
はじめのうちは、集中力が続かず20分ほど勉強をして、遊びのコンテンツ(なぞなぞ・クイズ・絵しりとりなど)を入れていました。
しかし、回数を重ねるごとに、お互いのプリントの進み具合をみて「あと10分やろうかな」、「このページまでがんばりたい」というようになりました。
20分から始めた勉強時間は、5回目から30分になり、6回目には40分になりました。
互いに「いまプリント〇枚目~」と声をかけたりしていたので、競争意識も芽生えてきたのでしょう。
1週間後には、1時間ぶっ通しで勉強できるようになっていました!!
効果2.集中力が上がった
我が家には、未就学児の次男がいます。
保育園もコロナによる休園で、暇を持て余した次男が、朝から家中を走りまわり、ソファーからジャンプしたり、見えない敵と戦っているのです。
そんな中で、勉強なんてはかどりません。
大人の私でも仕事が滞っているというのに…
一緒にオンライン勉強会をしてくれたママ友も同じような環境だったそうです。
しかも、あちらはお子さんが3人。
1番下の子は、まだ赤ちゃんです。
想像するだけでも大変そう( ;∀;)
そんな環境でも、長男たちはオンラインをつなぐと集中して勉強してくれるようになりました。
勉強してる間は音声ミュートにしとくね
しかも、お互いに「いま周りがうるさいからミュートにしとくね」なんて、状況によって機能まで使い分けているではありませんか!
さすが、デジタルネイティブ世代。
弟たちのほうにも、変化がありました。
「いまは、お兄ちゃんの勉強時間」という区別ができたのか、勉強時間終了のタイマーがなるまでは、静かに遊ぶことができるようになりました。
効果3.習慣化できた
毎朝オンラインを繋げることで、「相手が待っているからやらなきゃ」という状態です。
そのため、「時間だよ~」という声かけで勉強机に向かうようになりました。
これまで学習ソフトや教育動画などを使って勉強させようとしても、「今はいいよ」「これは見たくない」といった態度で続いたことがありませんでした。
デジタル機器を使えば子どもは喜んでやるというわけではないようです。
ですが、オンライン勉強会では「今日はいいよ」とか「あとで」とか「やめたい」ということはありませんでした。
「顔なじみのお友だちと一緒」の時間を共有することに意味があるようです。
毎朝10時に勉強に向かうことで、自粛生活で乱れがちだった生活にも、規則正しいリズムが生まれました。
効果4.苦手科目もやるように
子どもが自主学習するときに陥りがちなのが、「好きな教科ばっかりやる」という問題。
ウチの長男も好きな算数の課題ばっかりやって、嫌いな国語は後回し。
国語の音読に至っては、全くやろうとしませんでした。
ところが、オンラインをつなげたA君は、国語の漢字をよくやっていました。
A君に刺激を受けて、長男も「今日は国語をやろうかな」と言い出しました!
また、A君とは学校が違うのですが、国語の教科書は同じだったことから、音読も一緒にやろうということになり、親子みんなで音読をしました。
国語を極度に嫌がる長男が音読するなんて、まさに奇跡でした✨
効果5.ママが付きっきりで勉強をみなくていい
よくリビング学習が勧められる理由でも挙げられるように、低学年の子どもの自学学習は、親が隣にいないとやらないということがあります。
ウチの長男も、私がそばについて一緒に進めていかないと勉強しない子でした。
ですが、オンライン勉強会では、常に画面には人が映っているので、親が席をはずしても安心感があるようでした。
また、集中力が途切れた様子が映し出されると、「どうしたの?」「あと何分だよ、もう少しやろう」とお互いに話かけたり、励まし合って勉強してくれるようになりました。
親が部屋を離れて下の子のお世話などをしていても、サボったり気が散ったりすることなく勉強していて感心しました。
オンラインで学習する機会は、これからも増えてくるかもしれませんね。
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オンライン勉強会のデメリット
「集団の効果」が、これほどまでに良い効果をあげるとは思いませんでした。
オンライン画面越しであっても、やはり「お友達と勉強する」ということは特別な意味を持っているんだな感じました。
ただ、デメリットはないのか、というとそういうこともありません。
デメリットを感じたのは以下の点です。
飽きる
自粛生活で、友達に会えない日が続いていたのと、オンラインという新しいツールの物珍しさで、はじめは「何これ!すごーい」と、楽しげに勉強できました。
しかし、1週間毎朝オンラインを繋げていくと、少し飽きてきたようでした。
「前半は勉強、後半は遊びのコンテンツ」というスケジュールも、「遊ぶ時間はもういらない」「勉強終わったから、もうオンライン終了しよう」という感じになっていきました。
繋がるお友達を増やしたり、もっとバリエーションを持たせられたら良かったかなと思います。
オンライン繋いでいないと勉強しない
1週間オンラインをつないで勉強させていたときは、生活リズムも整っていました。
ですが、学校が再開するようになり、お友だちとオンラインで繋がなくなったとたん、長男は勉強しなくなりました(笑)
お友達がいる状態じゃないと、生活リズムはグダグダ・・・
オンラインで繋いでいないと、モチベーションが上がらないようです。
感想・まとめ
学校休校の非常事態を受け、オンラインで勉強できる学習ソフトや授業動画なども多くあります。
我が家も学校が推奨するオンライン学習ソフトなどを使ってみたり、大手予備校のオンライン授業に申し込んでみたり、勉強の遅れを埋めようとアレコレ試行錯誤していました。
でも正直、そうしたサイトに登録しても、やらないし、続きません・・・。
どうしたら学ぶ意欲が出るだろう?と迷いながら取り組んだオンライン勉強会でした。
結果、どの教育サイトや授業動画よりも、お友達とのオンライン勉強会がいちばんモチベーションの維持と継続につながりました。
人は、1人ではやる気が起こらないのだな、「誰かと一緒にやる」って大事だなと実感しました。
お友達と勉強している間に、親は下の子のお世話をしたり、お昼ごはんの準備ができたり、時間をつくることができたのも良かったです。
学校再開となっても、習い事がなく時間の都合があえば、今後の家庭での自主学習の時間にオンラインを繋げて勉強させるのもいいかもしれません。
今後も時間帯や方法を変えて、オンラインを活用していきたいと思いました。
これからは学校側もオンライン授業を取り入れていくと思いますし、そうした動きが不登校児の学習を保障するものになれば良いなと思います。