【大学受験】親が知っておくべき、難化する大学入試への対策

“大学全入時代”なんて言われて久しいですが、

じゃあ今は、希望すればどこの大学に入れるのか、第一志望の大学に入れているかって言ったら、答えは「No!」です。

「No!」なんですよ、おかあさん!

今の子どもたち、特にここ3年ほどは、第一志望の大学どころか、滑り止めであるはずの第二志望校にも、まさかの“キープ”程度だった知名度の低い大学すらも落ちてしまうという厳しい状況が続いています。

理由は、2つ考えられます。

まず、ひとつは、2016年以降、私立大学の入学定員管理の厳格化されたこと。

そして、2020年1月(2019年度)の実施を最後に、大学入試センター試験が廃止されること。

らぼ子
元予備校勤務の私が解説します(^^)/

私立大学の入学定員管理の厳格化って?

●入学定員管理の厳格化とは・・・
 首都圏の私立大学に学生が集中するのを抑制するための措置のこと。

多くの私立大学では、合格後に入学を辞退する人がいることを見込んで、入学定員よりも上回る合格者を出すのが通例です。

そこで、文部科学省は、2016年度から段階的に、入学定員を超過した私立大学に対して、補助金をカットするペナルティーを科すことにしました。

入学定員を超えて入学者を受け入れている私立大は、それだけ入学金や授業料による収入が入ってくるのだから、国からの補助金はあげませんよ、ということです。

そのため、補助金をカットされては困る大学側が合格者数を大幅に減らしました。

これにより、例年だと受かっていたであろう点数の生徒も、模試でもA判定が出ていたような生徒も、落ちてしまうという現象が続いているのです。

もはや、模試の判定でも、予備校のデータでも予測不能です。

※19年から定員を超過した私大は補助金が減額される予定でしたが、当面、減額は見送りとなりました。

 

それに加えて、もうひとつ、今年(2019年)の受験で顕著に見られた変化が、センター入試の廃止を見越した「浪人回避」、「安定志向」の傾向です。

本来、早稲田・慶応を狙う受験生が、浪人を避けるべく、MARCHやさらにランクを下げた大学をメインに受けたり、滑り止め校を多めに受験したりしたために、MARCH狙いでがんばってきて、従来ならMARCHに受かるラインの受験生が全滅する、なんていう波乱が続出しているのです。

センター試験実施最後の年となる、今年度は、さらに「超安定志向」の受験傾向になることは必須で、「定員の厳格化」の影響も引き続き、AO・推薦入試を含め、激戦となることが予想されます。

なぜ大学入試センター試験は廃止されるの?

2020年1月の実施を最後にセンター試験が廃止となります。

これからの高度情報化・AI時代に合わせ、「求められる力」が変化してきます。

社会の激しい変化にも、順応に対応できる人材を育成するために、これからの社会を担う子どもたちの教育から変える必要があります。

「求められる力」とは?

これまでの「知識・技能」に加え、「思考力」、「判断力」、「表現力」などを育み、「主体性」をもって学ぶことが重要視されます。

 

どう変わる?大学入学共通テスト

◎2021年から導入させる「大学入学共通テスト」では、国語と数学で記述問題が出されます。
◎英語は、4技能・資格・検定試験が活用されます。

記述式問題が導入されることが大々的に報道され、マーク(選択)式問題がなくなると思われている方も多いようです。

ですが、それは誤解で、選択式問題もありつつ、一部の問題では記述で答える問題もあるのです。

これまで個別(2次)試験で行われていたような問題だと思えばイメージしやすいかと思います。

◎「国語」、数学」の記述式問題について

・マーク(選択)式問題もある。すべてが記述式問題になるわけではない。

・知識だけではなく、思考力・判断力・表現力も評価。

・国語の記述式は、80~120字程度を想定。

・テキストを読み取り、解釈し、複数の情報を組み合わせて考えをまとめ、説明する力を問う問題。

◎英語の4技能評価

・これまでの「聞く」、「読む」の2技能に加え、「話す」、「書く」技能も重要視。

・英語のテストは、資格・検定試験を活用。

現役生とその親が知っておきたいこと、やっておきたいこと

“入試改革”が次年度に迫り、受験生&保護者は、心中穏やかでないですよね。

現役生や保護者が知っておくべきこと、やっておくべき対策は、どんなことがあるでしょうか。

指定校推薦入試を調べる/検討する

もし、高校の指定校リストに、行きたい大学があるのであれば、指定校推薦に挑戦することをオススメします。

「できれば、国公立大がいい」とか、「一般入試で実力を試したい」と考える方もいるでしょう。浪人覚悟であればそれでもいいのですが、入試改革前後の年で、厳しいチャレンジとなることは間違いありません。

評定平均(内申点)などの条件を満たしていて、校内での競争にも勝てるのであれば、指定校推薦というチャンスを逃すべきではありません。

自分の学びたい学科があり、環境が整っている大学が、高校の指定校リストにあるなら検討すべきだと思います。

公募推薦入試やAO入試を活用する!

ある程度、合格が確約されている指定校推薦とは別に、公募推薦やAO入試は、合格できるかわかりません。

それなのに、センター試験対策と並行して、志望理由書を作成したり、面接対策をしたり、プレゼンテーションの練習をしたりと、何かと時間を取られるのも事実です。

しかし、この公募推薦やAO入試を利用して、普通に一般受験したらかなり厳しいだろうというチャレンジ校に受かっちゃったというケースは数多くあります。

もし、評定平均や資格条件が満たしているのであれば、対策に時間をかけて挑戦する価値はあると思います。

AO・推薦入試組は、よく「逃げだ」、「ラクしてる」なんて言われることもあります。

しかし、私は長年、受験生を見守ってきましたが、AO・推薦入試組の対策が、決してラクなんてことはありません!

公募推薦のなかには、「センターを課すもの」「センターを課さないもの」と2種類あり、センター試験もないがしろにできないなか、並行して志望理由書を何度も添削・書き直しを繰り返し、面接対策では圧迫にも耐えられるようメンタルも鍛えますし、みんな泣きながらも必死で対策しています。

AO・推薦入試では、志望理由書や面接、プレゼンテーションを通して、自分が大学で学びたいこと、やりたいことは何なのか、将来、大学卒業後はどうなっていたいのかを問われる場面が多くあります。

AO・推薦対策を通して、自分のやりたいことを整理し、目標設計を立てる、いい機会になるというメリットもあります。

一般受験なら滑り止めを多めに

厳しくなるであろう2020年度の入試。絶対に浪人はしない!と決めているのであれば、国公立志望者であっても、私立大の併願校を多めに考えておく必要があります。

現地に受験に行かなくても済むセンター試験利用で合格が決まればいいのですが、センター試験の得点率がそんなに高くない場合は、実際に大学まで一般試験を受けに行かなくてはいけません。

受験料だけでも2万~3.5万円。加えて、県外へ受験に行くなら交通費や宿泊費も準備が必要です。

また、早い段階で合格が決まれば入学金を納めておかなければいけないので、受験費用は多めに見積もっておいて損はありません。

「情報」を制するものが受験を制する

「行きたい大学はココだけです!」と他の大学にはわき目も降らず、視野を狭めてしまうと、あとから「アレ?自分より点数が低かった子が自分より偏差値の大学に受かってる!」なんてこともあります。

受験では、得点よりも情報を多く持っているほうが優位になるということがよくあるのです。

志望する大学のパンフレットなどは早めに取り寄せ、大学調べは入念におこないましょう。

入試科目、配点に変更点はないか。合格最低点は?入試の方式は?という試験の情報はもちろん、大学がどういう生徒を求めているのか(アドミッション・ポリシー)、卒業後の進路状況、取得できる資格、資格試験の合格率など早めに調べておきましょう。

第一志望大学以外にも、同じような学科がある、やりたいことが学べ、資格取得が可能な大学をピックアップして、比べてみるということもオススメします。



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