母乳やミルクしか飲めなかった赤ちゃんが、離乳食へ移行する時期ともなると目に見えて成長を感じることができて嬉しいですよね。
しかし、この離乳食で悩んでいるお母さんは、意外と多いものです。
食べものの種類、偏ってるかも…
もぐもぐ、かみかみが少ないかも…
厚生労働省のガイドラインによれば、
離乳食で何かしらの困りごとを感じているママさんたちは74.1%もいるのだそう。
その中でも最も高い割合を占めるのが「作るのが負担、大変」(33.5%)という回答。
みなさん、「離乳食は、なるべく手作りで!」という思いでがんばってらっしゃるのだと思います。
ですが、ママは24時間、寝る暇もなく忙しい!
少しでも、その忙しさを軽くできるなら、ベビーフードなどの加工食品を上手に活用することも、ひとつの手ですよ。
そこで今回は、ベビーフードについてまとめました。
◆ベビーフードとは?
離乳食が、母乳やミルクなどの乳汁から幼児食に移行する時期に与える食事全般を指します。
それに対して、ベビーフードは、赤ちゃんの離乳を手助けすることを目的に販売されている加工食品のことをいいます。
ベビーフードとは??ベビーフードの定義は「乳児」および「幼児」の発育に伴い、栄養補給を行うとともに、
順次一般食品に適応させることを目的として製造された離乳補助食品。
~日本ベビーフード協議会の定義より~
ベビーフードは、各社いろんな種類のものが販売されていて、店頭で選ぶのも楽しいですよ。
ベビーフードの種類
ベビーフード種類は、市販されているものでおよそ500種類以上!
その分類は、下記の2種類のタイプに分けることができます。
- 水や湯を加えて用いる「ドライタイプ」
- そのまま与えられる「ウェットタイプ」
ドライタイプは、粉末になっていたり、フリーズドライになっているものがあります。
粉末タイプは出汁の素やソースなどの調味料として離乳食の補助として使えるものから、粉末ジュースやお茶などの飲料になるものがあります。
ウェットタイプというのは、レトルトパウチや瓶詰めになっているタイプのものです。
ウェットタイプの特長は、すでに調理された食品なので、そのまますぐに使用できて、栄養バランスも良い点!
※小麦、落花生などアレルギーの原因となる特定品目を使用している商品もあります。
購入の際には必ず、食品表示を確認しましょう。。
◆ベビーフードを使うメリット
育児書などの離乳食の進め方には、
離乳食初期から「白身魚や豆などを与えるように」と書かれています。
でも、白身魚って結構高級じゃないすか!?
赤ちゃんにスプーンひと口食べさせるために、鯛とかカレイを買うコスト…( ;∀;)
家で魚をさばいて、火を通して、
丁寧に裏ごしして、その他にも野菜も肉も豆も
バランスよく何十品目も入れて…って。
経済的にも作業効率考えても、負担大きいですよね。
ベビーフードを使えば、そんな手間もコストも一気に解消です!
ベビーフードのメリット
ベビーフードのメリット
・商品化されているものは、安全性を厳しくチェックされている。
・スプーン付きの製品などもあり、お出かけのときにも超便利!
・月齢別に大きさや固さなどが調整されていて、離乳食を手作りするときの見本にもなる。
・製品の外箱には、離乳食メニューが提案されているものもあって、離乳食の取り合わせの参考にもなる。
ベビーフードを使うなんて!と考えている方は、離乳食は「手づくりしないと愛情を感じない」と思っているのかもしれません。
しかし、2017年に、乳児ボツリヌス症で国内初の死亡事例が発生したことをご存じでしょうか。
離乳食として蜂蜜を混ぜた手作りジュースを飲ませたことが原因でした。
愛情ある手作り離乳食のはずが・・・
離乳食には、ポツリヌス菌がいる可能性のあるはちみつや黒糖など、赤ちゃんに食べさせてはいけない食材というのが意外とあります。
それなのに、某料理レシピサイトには、はちみつを使った離乳食レシピが、なんと100件以上ヒットしてしまうのです。
愛情を込めて手作りしたものが、実は食べさせてはいけないものだったなんて。
離乳食作りを負担に感じるのは、赤ちゃんは離乳食を与えなければ「死んでしまうのではないか」という誤解、または食べさせても食材にアレルギー源などが入っていると「死亡させてしまうのではないか」というリスクを伴っていることも要因なのではないでしょうか。
ベビーフードの安全性
市販のベビーフードというのは、専門家の指導のもとに安全面には徹底した配慮がされています。
「乳児用」として店頭で販売するには、厚生労働大臣の認可も必要です。
国が認めた食品で、赤ちゃんの「死亡事故」があってはならないからです。
味付けは?
ベビーフードって加工食品だから、塩分がいっぱい入っているんじゃないの?
と心配される方もいらっしゃいますよね。
離乳食の基本は薄味。
赤ちゃんにとって安全なものを提供しなければいけませんので、塩分量は下記の目安に定められています。
◆12ヵ月までの商品:200mg/100g以下(塩分約0.5%以下)
◆12ヵ月以降の商品:300mg/100g以下(塩分約0.7%以下)
~日本ベビーフード協議会 自主規格より~
固さへの配慮
食材の固さやとろみも、離乳のステップにそって以下の順番で調整されています。
◆なめらかにすりつぶした状態
◆舌でつぶせる固さ
◆歯ぐきでつぶせる固さ
◆歯ぐきで噛める固さに
離乳食の開始時期、すすめ方の目安はコチラの記事で紹介しています。
母子手帳や育児書には、離乳食の開始時期から、どの月齢でどんな食材を与えたらいいのか、何がダメなのか実に事細かに書かれていますよね。 また、保健所・市町村の保健センターなどで、離乳食の進め方について、学ぶ機会も多くあります。 が、[…]
食品添加物
食品添加物の使用は、必要不可欠な場合に限り、最小限の使用となっています。
また、使用できる添加物なども限定されており、香料は、「オレンジ、もも、りんご」だけ。
その他にも、衛生管理の徹底はもちろん、遺伝子組み換え食品の不使用など自主規格のもとで厳正にチェックさせています。
◆ベビーフードを使用するときの注意点
これだけ安全性も確保がされていて、手軽に使えるベビーフード。
ですが、やはり同じものばかりを選んだりすると、偏りが出てしまいます。
使用の際は、栄養素のバランスも考えて与えるようにしましょう。
他にも、注意する点がいくつかあります。
◆与える前に、おとなが一口食べて確認を。
◆温めて与える場合は、熱すぎないか温度を確認する。
◆子どもの月齢や固さのあったものを選ぶ。
◆用途に合わせて上手に選択をする。
◆料理や原材料が偏らないように、品名・原材料を確認する。
◆開封後の保存に注意!食べ残しは与えない。
主なメーカーのオススメ商品
最近の離乳食は、メニューも豊富で、どれも美味しそうで迷いますよね。
最後は、ベビーフードを取り扱う主なメーカーさんのメイン商品をご紹介します。
1.キユーピー
キユーピーのベビーフードには、生後5ヶ月から食べられる瓶詰タイプをはじめ、カップ容器入り、レトルトパウチの種類があります。
裏ごしされた野菜やジュレになった果物の商品は、そのまま食べさせてもOKですが、他の食材と混ぜて使用することもできて便利です。
レトルトパウチタイプは、着色料、保存料、香料は不使用で、値段もお手頃です。
画像引用元:キューピー公式サイト ベビーフード・幼児食
2.和光堂
和光堂のベビーフードといえば、外出先でも食べさせやすい主食とおかずが一緒になったお弁当タイプの「栄養マルシェ」。
栄養バランスもしっかり取れていて、スプーン付きなのでお出かけにも便利です♪
他にも、1個ひとさじ分になっているキューブ状の「はじめての離乳食」シリーズや、粉末の「手作り応援」シリーズは、手づくり離乳食のプラス役立つ商品もあります。
画像引用元:和光堂公式サイト ベビーフード・幼児食
3.ピジョン
ピジョンのベビーフードは管理栄養士監修で、栄養バランスがレーダーチャートで一目瞭然です。
12種類の野菜配合で1食分に必要な野菜がとれるシリーズや、鉄とカルシウム1食分がとれるシリーズがあります。
画像引用元:ピジョン公式サイト 商品情報・離乳食
4.森永乳業
森永乳業には「おうちのおかず」シリーズと「大満足ごはん」というシリーズで、生後9ヶ月頃から食べられる商品があります。
「おうちで手作りする離乳食を目指す」ことを掲げており、
お肉とお野菜は100%国産、厳選した食材のみを使用し、増粘剤・着色料・保存料・香料不使用です。
他社のレトルトパウチの容量は、80gが一般的となっていますが、「おうちのおかず」の容量は100g、「大満足ごはん」は驚きの120g!
食欲旺盛なお子さんにおすすめの大容量です。
画像引用元:森永乳業公式サイト 商品情報・べビーフード
5.雪印ビーンスターク
雪印ビーンスタークからは、食事タイプとおやつタイプのベビーフードが発売されています。
食事タイプ「素材満菜シリーズ」は、たくさんの原材料を3つの栄養群からバランスよく使用。
おやつタイプは、発育に欠かせない栄養素「カルシウム」を強化した食品となっています。
画像引用元:雪印ビーンスターク公式サイト 赤ちゃんのための商品・ベビーフード
まとめ
離乳食は、「手作り」することが推奨されていますが、赤ちゃんのお世話をしながらの離乳食づくりは時間と労力がかかります。
せっかく作った離乳食を食べてくれなかったりすると、それだけでストレスですよね。
離乳食の役割は、家族で食卓を囲んで「食べる楽しみ」を赤ちゃんに体験させることでもあります。
料理することに疲れきって、ママの笑顔が消えた食卓で、「食事の楽しさ」を伝えることはできません。
海外では、「離乳食」という概念はなく、ベビーフードを与えるのが主流。
ベビーフードを使うことに後ろめたさや罪悪感を感じる必要はないのです。
昔にくらべて、ベビーフードも進化していて、ますます便利に、美味しく、安全になっています。
キューブや粉末などのドライタイプから、すぐに食べさせることができる瓶、パウチカップに入ったウェットタイプなど種類も豊富です。
お子さまの月齢や用途に合わせて使い分けることで、栄養面のバランスも摂れ、メニューのバリエーションも増えることでしょう。
離乳食期、無理せず便利なものは大いに活用して、心にゆとりをもって快適に過ごしてくださいね。
また、プロの調理師がやっている離乳食の工夫も参考にしてみてください。
みなさんは、離乳食期を楽しく過ごせていますか? 離乳期は、母乳やミルクを「飲む」だけだった赤ちゃんが、「食べる」ことへ移行するための大切な時期です。 月齢に応じて、回数や食材の大きさ、固さ、味付けなども変えていかなければいけませ[…]